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ここではそのツールの一つ、「Alarm Manager(アラームマネージャー)」 について、その概要と操作方法を解説します。
アラームマネージャーとは
Alarm Manager(アラームマネージャー)は主に以下の役割を果たします。
アラームマネージャーでは、自分専用にカスタマイズ性の高い設定を構築することができます。
これにより、例えば以下のようなことが可能です。
Alarm Managerの概略
アラームとグループ
Alarm Managerの初期起動時には、デモンストレーションとして「アカウントアラーム」や「ニュースアラーム」といったグループ毎に分類されたいくつかのアラームが表示されます。
このグループは、アラームを分別管理するためのラベルのようなもので、実際にどのアラームをどのグループに入れるかは自由です。
それぞれのアラームでは、これに紐づいたいくつかのアクションを設定することができます。
例えば、アラームの作動時にメールによる通知を行ったり、自動注文を行ったりすることができます。
アラーム表示
アラームは以下のように表示されます。

左側はアラームの内容と現状、右側は作動の有無を示すトリガーです。
例えば上の例は、含み損が10%を超えた場合のアラームで、現在の含み損は-7.5%、アラームは未作動の状態にあることを表しています。
トリガーの状態は次の2種類です。
トリガーの状態 | 内容 |
---|---|
![]() | アラームは未作動、またはリセットされた状態。 作動要件が満たされるとアラームは作動し、アクションが実行される。 |
![]() | アラームとこれによるアクションが作動済みの状態。 アラームがリセットされない限り、アクションが再実行されることはない。 |
左側のテキスト部をクリックするとアラームの設定を編集することができ、右側のトリガーをクリックするとアラームをリセットできます。
トリガー
アラームの状態は未作動か作動済みかの2パターンですが、実際には次の3つの状況が存在します。
① アラームが未作動の状態

② アラームが作動要件を満たしており、トリガーがオンの状態

→ 作動要件から外れるまで、トリガーはリセットできません。
③ アラームが作動要件から回復したが、トリガーはオンの状態

→ トリガーはリセット可能です。
アラームのリセット
アラーム作動時には、予め設定したアクションが実行されます。
その後、トリガーをリセットするまで再び作動することはありません。
アラームのリセットは、各アラームのトリガーをクリックし、グレーの表示に戻れば完了です。
また、時間による自動リセットが行われるよう設定することも可能です。
ただし、いずれの場合も、アラームが作動要件を満たしている間はリセットを行うことができません。
アラームグループの無効化
アラームは、グループごとに無効化する設定を行うことができ、無効化されたグループは以下のように表示されます。

無効化されたグループ内の各アラームは状況の表示のみ更新されますが、要件に達しても作動することはなく、これによるアクションも実行されません。
グループの無効化は、以下のような目的に利用できます。
アラームの作成と編集
新規アラームの追加
グループ内に新たなアラームを追加する場合は、グループ名の横にある「+」アイコンをクリックします。
新規のグループにアラームを作成したい場合は、既存のグループに作成した後、「Alarm Settings」にてグループ名を新規のものに変更します。
アラームの編集
各アラームのテキスト部分をクリックすると、アラームを編集することができます。
アラームのパラメータ
ほぼ全てのアラームには変更可能なパラメーターがあります。
例えば、連敗通知を行う負けトレードの回数やMACDに関する時間足の種類・ローソク足の本数、タイムアウト設定の時間など。
アラームの設定
「Alarm settings」では、各アラームの設定変更を行うことができます。

アラームの自動リセット
前述したように、アラームの作動後は、そのアラームがリセットされるまでアクションが再実行されることはありません。
しかし、アラームが作動要件から回復した場合には、自動でリセットが行われるよう設定することができます。
自動リセットには、次の4種類があります。
①「Immediate reset 」
作動直後にリセットされます。作動後、要件がクリアになるアラームでのみ使用可能です。
②「Timed reset after trigger」
作動後の経過時間により、例え要件がクリアになっていなくてもリセットされます。
ただしこの場合、アラームは直ちに再作動します。
③「Timed reset after the signal clears」
要件がクリアになってからの経過時間によりリセットされます。
リセット後に再び要件を満たした場合、再作動します。
④「Reset at the start of the next bar」
次のローソク足開始時にリセットされます。
「Technical indicators」または「price alarms」のみで使用可能です。
アラームアクション
「Alarm acction」では、各アラームにいくつかのアクションを設定することができます。
「Add action」ボタンをクリックすると新規のアクションを設定することができ、そのタイトル部分をクリックするとアクションの有効/無効を変更することができます。
アクションのタイプは以下のカテゴリに分類されています。
アラームグループの作成と編集
アラームは任意のグループ毎に分別することができ、グループ名の変更も自由に可能です。
新規グループの作成
新規グループを作成したい場合は、アラームの作成時に「Group」欄に新しいグループ名を入力します。

アラームグループの編集
アラームグループを編集する場合は、グループ名をクリックします。
編集では、グループ名の変更や配置換え、グループの無効化といった操作の他、グループ自体にアクションを割り当てることもできます。
グループアクション
アラームと同じように、グループにもアクションを設定することができます。
グループアクションの場合、トリガーアイコンはグループ名の右側に表示されます。

グループアクションが実行される条件は、以下の3種類から選択できます。
①「Once all the alarms in the group have been triggered」
グループ内全てのアラームが一度作動した場合にアクションが実行されます。
(同時期に全てのアラームが作動中である必要はありません。)
②「Group actions when all alarms are currently signalled」
グループ内全てのアラームが同時に作動するとアクションが実行されます。
③「Group actions when any one alarm is signalled」
グループ内のいずれかのアラームが作動した場合にアクションが実行されます。
アラームの種類
プライスアラーム
① Price level
商品(通貨ペア)の価格によるアラームです。
価格が設定値を超えた場合(>数値)、または下回った場合(<数値)に作動します。
② Price change
商品(通貨ペア)の変動値(値幅)によるアラームです。
アラーム設定後の上昇幅か下落幅、またはその両方を要件として設定できます。
③ Bar breakout
価格のブレイクアウト(高安更新)によるアラームです。
直近のローソク足の本数を対象期間として設定することができます。
アカウントアラーム
① Account value
口座残高や証拠金、含み益・含み損、証拠金使用率などのアカウント情報によるアラームです。
② Balance change
ポジション決済時の口座残高変動によるアラームです。
③ Consecutive wins
勝ちトレードの連続回数により作動するアラームです。
カウント方法は以下の2種類から選択できます。
・「Individual trades」
各オープンポジションを別々にカウントする方法です。
例えば、ポジションを3つに分けて保有し、それら全てを同じタイミングでプラス決済した場合でも、これらは3連勝としてカウントされます。
・「Balance changes」
個々のポジションではなく、口座残高の変化を参照する方法です。いくつかのポジションが同時にプラス決済された場合、これらは1回の勝ちトレードとしてカウントされます。
④ Consecutive losses
「consecutive wins」とは逆に、連続した負けトレードのカウントによるアラームです。
⑤Win/loss %
トレードの勝率によるアラームです。
アラーム設定後に決済されたトレードが対象となります。
トレードアクティビティアラーム
① New position open
新規注文を行った際に作動するアラームです。
EUR/USD通貨ペアのみといったような商品の指定制限も可能です。
② New position close
保有ポジションを決済した際に作動するアラームです。
EUR/USD通貨ペアのみといったような商品の指定制限も可能です。
③Position floating P/L
個々の保有ポジションの含み益(プロフィット)または含み損(ロス)によるアラームです。
含み益はプラス、含み損はマイナス数値とし、これを超えた場合(>数値)、または下回った場合(<数値)に作動します。
④ Position without stop-loss
ストップロス(損切り値)未設定のポジションがある場合に作動するアラームです。
新規注文後からアラームが有効化されるまでの時間を設定することができます。
タイムアラーム
① Timer countdown
タイマーによるカウントダウンアラームです。
指定した時間が経過するとアラームが作動します。
「immediately auto-reset」を利用すれば、一定時間おきに繰り返し作動させることも可能です。
② Time of day
ローカルタイムの指定時刻に作動するアラームです。
アラーム作成から1日以内の時刻を設定することができます。
ニュースアラーム
① Economic calendar
経済指標カレンダーのイベントによるアラームです。
重要指標発表時などの事前警告通知として利用できます。
カレンダーのプロバイダーやイベントの重要度、イベント発生の何分前に作動するかといった設定が可能です。
② Sentiment
リアルタイムのセンチメント(市場参加者のロング/ショート比率)によるアラームです。
設定したパーセンテージを超えた場合(>数値)、または下回った場合(<数値)に作動します。
データのプロバイダー選択が可能で、利用できる通貨ペアはそのプロバイダーにより異なります。(通常、メジャー通貨ペアのみ)
テクニカルインジケーター
テクニカルインジケーターによるアラームの多くは、以下の2種類の設定があります。
「Price-type」
インジケーターの計算に利用する価格のタイプを決定します。
(例:終値、高安平均、始値と終値の平均)
「Bar-shift」
現在のローソク足を計算に含めるかどうか、また除いたローソク足の分を戻るかどうかを決定します。
アラームの種類は以下の通りです。
① Moving average cross-over
2本の移動平均線のクロスによって作動するアラームです。
時間足の種類とプライスタイプ、それぞれの移動平均線の期間を指定します。
設定した2本の移動平均線がロングクロスした場合(>)、またはショートクロス(<)した場合に作動します。
② Bollinger band
ボリンジャーバンドによるアラームです。
移動平均線の期間と偏差を設定します。価格が設定したバンドの外に出た場合に作動します。
③ Swing point
価格の反転ポイントによるアラームです。
MT4/MT5におけるフラクタルの定義を使用したもので、中間ローソク足を最高値または最安値とする5本(3・7に変更可)の確定足を形成した場合に作動します。
④ Stochastic
オシレーター系インジケーターであるストキャスティクスによるアラームです。
設定した数値に達した場合に作動します。
パラメーターの定義は以下の3種類から選択できます。
⑤ MACD
MACDインジケーターによるアラームです。
作動要件は以下の3種類から選択できます。
⑥ Relative Strength Index
RSIインジケーターによるアラームです。
設定した数値を超えた場合(>数値)、または下回った場合(<数値)に作動します。
⑦ Average true range
ATRインジケーターによるアラームです。
定義されたパラメーターにより、指定した数値に達すると作動します。
アクションの種類
通知
① Play sound
使用PC上で、音による通知を行います。
任意の通知音をリストから選択することができます。
② Show pop-up alert
使用PC上で、ポップアップのアラートウィンドウを表示します。
デフォルトでは、日付と時刻、アラームの見出し、アラームに関する現状(例:証拠金使用率、価格など)が表示されます。
メール・Twitter
① Send email
「Google Groups」などのサービスによるメーリングリストを作成することで、登録アドレスのグループにメール通知を行うことができます。
メールは、使用アプリケーションにおける自分のアドレスから送付されます。
また、GmailやOutlookなど設定により、自分に送付されたメールを他人に自動転送することも可能です。
② Send tweet
ツイッターアカウントでツイートを送信することができます。
ログインボタンからTwitterにログインし、アカウント認証を行う必要があります。
③ Send SMS
SMS(ショートメール)を送付することができます。
SMSプロバイダーを選択し、登録を行う必要があります。
利用可能なプロバイダーは取引プラットフォームやブローカーにより異なります。
ポジション決済
① Close everything
口座内の全ての取引(オープンポジション・オーダー)をクローズします。
② Close profitable positions
含み益のある全てのオープンポジションを決済します。
③ Close losing positions
含み損のある全てのオープンポジションを決済します。
④ Close symbol
特定の商品における全ての取引(オープンポジション・ペンディングオーダー)をクローズします。
新規注文
① Place market order
新規注文(買い・売り)を行います。
注文ボリュームは、ロット数(例:0.1)または金額(例:10,000)により指定することができます。
「non hedging mode」をオンにすると、注文時にオープンポジションに対する相殺が行われます。
例えば、0.3lotの買い注文を行う際に0.1lotのショートポジションを持っている場合、このショートポジションは決済され、新たに0.2lotの買いオーダーが行われます。
② Place pending order
新規のペンディングオーダー(指値・逆指値注文)を行います。
注文ボリュームは、ロット数(例:0.1)または金額(例:10,000)により指定することができます。
指値(逆指値)は価格、もしくは現在価格からの値幅(pips)で指定することができます。
例えば、「sell-stop 20 pips from the current price」なら、現在のbid(買い値)から20pips上に売り注文が置かれます。
その他のアクション
① Open web page
指定したウェブページをブラウザ上で開きます。
② Send web request
指定したURLにHTTP取得リクエストを送ります。
ソフトウェア開発者用の機能で、応用アクションの設定が可能です。
アラームマネージャーアクション
① Disable the alarm’s group
指定したアラームグループを無効化します。
これにより、最初のアラームが作動した場合に、同じグループの他のアラームを一斉キャンセルすることができます。
② Disable all groups of alarm
全てのアラームグループを無効化します。
グループ内のアクションは、手動で再度有効にされるまで作動しません。
変数テキスト
アクションに使用するテキストは、テキストパラメーターによって変数を取り入れることができます。
一般変数テキスト
以下の変数テキストは、どのアラームタイプにも使用可能です。
変数テキスト | 内容 |
---|---|
{CAPTION} | アラームの見出しを表示する。 例:「Margin use % > 10」(証拠金使用率10%超え) |
{LATEST} | 現在の数値を表示する。 例:「証拠金使用率」、「価格」など |
{ALARMSYMBOL} | アラームの対象シンボルを表示する。 例:EURUSD、AUDJPY (インジケーターアラーム、価格アラームでのみ) |
{DATE} | 現在の日付を表示する。 |
{TIME} | 現在の時刻を表示する。 |
{ACCBALANCE} | 口座残高を表示する。 |
{ACCEQUITY} | 有効証拠金を表示する。 |
{ACCFLOATINGPL} | 口座における含み損益を表示する。 |
{ACCMARGINUSED} | 使用証拠金額を表示する。 |
{ACCMARGINFREE} | 未使用証拠金額を表示する。 |
{ACCMARGINUSE%} | 使用証拠金率を表示する。 |
{ACCMARGINFREE%} | 未使用証拠金率を表示する。 |
{ACCFLOATING%} | 残高に占める含み益/含み損の割合を表示する。 |
{OPENPOSITIONCOUNT} | 口座のオープンポジション数を表示する。 |
{PENDINGORDERCOUNT} | 口座のペンディングオーダー数を表示する。 |
アラーム別変数テキスト
以下の変数テキストは、特定のアラームタイプでのみ使用可能です。
① ポジションに関するアラーム(新規注文・決済・損益・S/L)
変数テキスト | 内容 |
---|---|
{POSSYMBOL} | ポジションのシンボルを表示する。 例:EURUSD、AUDJPY |
{POSTICKET} | ポジションの取引番号を表示する。 |
{POSOPENPRICE} | ポジションのオープン価格を表示する。 |
{POSCLOSEPRICE} | ポジションのクローズ価格を表示する。 またはオープンポジションの現在価格を表示する。 |
{POSSL} | ポジションのストップロス(損切り値)を表示する。 |
{POSTP} | ポジションのテイクプロフィット(利確値)を表示する。 |
{POSACTION} | ポジションがbuy(ロング)かsell(ショート)かを表示する |
{POSVOLUME} | 取引量を金額で表示する。 例:10,000 |
{POSLOTS} | 取引量をロット数で表示する。 例:0.10 |
② 残高変動アラーム
変数テキスト | 内容 |
---|---|
{BALANCECHANGE} | 口座残高の変動額を表示する。残高変動アラームでのみ利用可能。 |